eSATA/USB2.0 リムーバブルRAIDケース(2ベイ)
SA-DK2EU-R モニターレポート
(このレポートは2007年4月現在のものです)
No.1 三重県 のんき 様
1.はじめに
「重要なデータを安全で確実にバックアップしたい」、一見、簡単なようですが、いざやろうとすると、方法や仕組みにより一長一短があり(安全レベルやコストなど)、迷うところです。
今回、リムーバブルRAIDケース(SA−DK2EU−R)のモニター募集があり、現状のバックアップの問題を解決できないか確認したいという思いから、モニターに応募しました。
2.モニターで実施したいこと
パソコンを最初に購入したのは96年、消えては困るデータや外部に漏れては困る重要なデータなど、数多くのデータが増えてきました。
重要なデータのひとつが、デジタルカメラの撮影データです。趣味の写真をデジタルカメラに切り替えたのが、6年程前。週末は、時間があれば写真を撮っています。撮りためた写真は、数万枚にもなってしまいました。
デジタルカメラの撮影データの他に、インターネットメールの送受信記録、インターネットのサービスを利用するために必要なID・パスワード(数十社もあるため管理ツールを利用)など、外部に漏れては困る重要なデータもあります。
これらのデータは、暗号化ソフトにより、仮想ドライブで暗号化して保存しています。
これらの重要なデータは、リムーバルディスクに手動でバックアップしているのですが、とても手数がかかる上、万一の場合、前回のバックアップ以降のデータが消失するというリスクがあります。
この製品のミラーリング(RAID1)の機能を試してみたいと思います。また、ミラーディスク上で、暗号化ソフト(仮想ドライブのマウント)が問題なく稼動するか、確認したいと思います。
3.製品の第一印象

本体はアルミ素材でできています。表面の仕上げは非常にきれいで、特に前面パネルの作りはとても丁寧にできています。ケース自体、どっしりした感じはありませんが、カートリッジの抜き差しで後ろに動いてしまうということはありませんでした。
他社製品には、eSATAカードが付属しているものもありますが、当製品には付属していません。今後のeSATAの普及予想から考えて、少しでも安くなるなら、この方がよいと思います。
4.接続パソコンの構成
| SA-DK2EU-Rに使用したHD |
| SATA HDD |
Maxtor 6H500F0×3 7Y250M0×2 2TB |
| パソコン |
| マザーボード |
GA-K8N Ultra-9 |
| CPU |
Athlon64 x2 4400+ |
| メモリ |
2GB |
| OS |
WindowsXP Professional |
| eSATA I/F |
RATOC eSATA PCI Express ボード REX-PE30S |
5.セッティングと動作結果

セッティングについては、非常に簡単でした。RAIDディスクの概念さえ理解できれば、特に戸惑うこともなく、導入可能と思います。
(1)
管理ソフトウェアのインストール
動作状況の確認、エラーの報告、ディスクの取り外しなどの管理ソフトウェア(RATOC RAID MONITOR)をインストールします。十数秒でインストール完了です。
(2)
トレイにハードディスクを取り付け
ミラーリングしたいデータが入っているハードディスク(HITACHI HDS722525VLSA80 250GB)と余っていたハードディスク(Maxtor7Y250M0 250GB)を利用することにしました(この時点では、マスターディスクは、データが入っていても良いと思っていました。後から問題に・・・)。
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今回は、型番の違うハードディスクでミラーリングを組むことにしましたが、ミラーリングするのであれば、製品の型番はそろえたほうがよいと思います(ただし、ロットは変えたほうがよいでしょう、2台とも同じ不良で同時期に故障しないためです)。
説明書を見て組み立てましたが、戸惑うことはありませんでした。 |
(3)パソコンに接続する
使用モードの初期設定がすでにRAID1になっているため、何の設定も不要です。パソコンと接続、電源を投入しました。しかし、RATOC RAID MONITORで確認したところ、なぜかマスターディスクしか認識しません。カセットを挿しなおしても同じ。結局、使用モード変更時には必要な操作(プッシュスイッチを押しながら電源オン)で、バックアップディスクもうまく認識しました。
(4)ハードディスクのフォーマット(バックアップディスクのビルド)
次にマニュアルでは、ハードディスクのフォーマットを行うとなっています。ここで問題が発生しました。2台のうち1台は、ミラーリングしたいデータが入っています。フォーマットするには、もう一台、一時的に退避するためのハードディスクを準備する必要があります。本来、故障時に備えて予備ディスクの準備が必要ですが、そこまで、金銭的余裕はありません。
マニュアルを見ると、「デイリーバックアップ」の機能があります。マスターディスクとバックアップディスクはまったく同じ内容とのこと。そこで、バックアップディスクを「ロックキーをオフ→カートリッジの抜き差し→ロックキーのオン」の操作を行いました。見事、バックアップディスクのビルドを開始、正常に終了しました。
今使用しているハードディスクをそのままミラーリングのマスターディスクとして利用したい、という場合のほうが多いと思います。セットアップの手順に、注意事項を明記した上で、この方法をマニュアルで説明してもいいのではと思います。なお、今回は、実験であり、うまくいくか不明であったため、実際は、別のハードディスクにバックアップを取って実施しました。
| *** 補足 *** |
ご指摘いただきました「運用中のハードディスクをフォーマットせずに、マスターディスクとして使う」説明を、改訂マニュアルに追加しました。 |
(5)正常動作の確認
| まず、RATOC RAID MONITORを立ち上げ、動作の正常を確認。エクスプローラで実際にデータをコピーしてみましたが、問題なく操作できることを確認しました。 |
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6.ミラーリングによる安全性の確認
| まず、ハードディスクの故障時の動作確認です。実際にハードディスクの故障を起こすことは困難なので、ロックキーのオフで試すことにしました。正常動作中に、バックアップディスクのロックキーをオフにすると(故障状態)、“ピー”という激しい警告音で故障を知らせます。故障してもうっかり見過ごすということはないでしょう。 この状態で、データの読み書きを試しましたが、全く問題なくできます。 |
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続いて、リビルドの確認です。バックアップディスクのカートリッジを一度抜きます。正常なハードディスクに交換したことにして、再度差しこみ、ロックキーをオン、これだけの操作だけで数十秒後に自動的にビルドを開始します。非常に簡単です。 |
| リビルドの進捗状況は、RATOC RAID MONITOR で見ることができます。約2時間で完了しました。マスターディスクも同様にテストしましたが、問題ありませんでした。 動作も安定しており、回復作業も簡単、すばらしいです。 |
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リビルド中のCPU使用率です。リビルド中でもCPU使用率は低く、他の作業への影響は少なそうです。このレポートも、リビルド中に書きましたが、遅いということは全くありませんでした。
7.暗号化ソフトの仮想ドライブの確認とベンチマーク
ミラーディスク上で、暗号化ソフト(PGP)の動作確認を行いました。仮想ドライブ(PGPdisk)のマウント、アンマウント、読み込み書き込みを行いましたが、全く問題ありませんでした。
念のため、仮想ドライブ(PGPdisk)のマウント状態で、ハードディスクの故障を再実験しましたが、問題なく利用できました。
また、SATA HDを内蔵した場合と、SA-DK2EU-Rを使用した場合のベンチマークを測定しました。SA-DK2EU-Rを使用した場合、Writeの数値が高くなる一方、Readは低くなっています。
| |
Read |
Write |
Copy |
Drive |
備考 |
| 内蔵HD |
60058 |
36004 |
28508 |
E:\100MB |
マザーボードのSATAポートに接続 |
| 内蔵HD → PGPdiskでマウント |
43666 |
18560 |
17085 |
O:\100MB |
| SA-DK2EU-R |
59534 |
48901 |
15952 |
E:\100MB |
REX-PE30SのeSATAポートに接続 |
| SA-DK2EU-R → PGPdiskでマウント |
29248 |
30612 |
12760 |
O:\100MB |
8.導入後の活用例
リムーバブルRAIDケース(SA−DK2EU−R)を導入することで、運用面、安全面で、満足のいく結果となりました。
(1)バックアップの手間が不要となった
データを更新すると、マスターディスクとバックアップディスクに同時に書き込みを行うため、バックアップを意識する必要がなくなりました。
従来は、次の手順でバックアップを取っていましたが、すべて不要となりました。
- バックアップのハードディスクをセット
- マスターディスクのPGPdiskをマウント
- バックアップディスクのPGPdiskをマウント
- バックアップソフトを起動して実行
- バックアップディスクのPGPdiskをアンマウント
- バックアップのハードディスクを取り外し
(2)データの安全性が高まった
以前は、バックアップに手間がかかるため、うっかりすると一か月もの間、バックアップを取っていないこともありました。バックアップが取られていない期間のデータは消失する恐れがありましたが、現在はリアルタイムでバックアップが取られるため、安全性が高まりました。ただし、人間の誤操作によるデータの消去や書き換えは、回復できなくなってしまいました。実際、ハードディスクの故障による回復より、人間のミスによる回復のほうが多かったりします。
| *** 補足 *** |
人的ミスの防止には、データの世代管理が向いています。リムーバブルケースでは、ディスクの交換が容易なため、たとえば曜日ごとのバックアップディスクを作成するデイリーバックアップで、もしものときは1日前のデータを取り出す、などの対策が可能です。 |
9.製品の満足度
今まで、外付けのハードウェアRAIDは、USBインターフェイスしかありませんでした(eSATAは、OSのRAID機能の利用でした)。eSATAの外付けのハードウェアRAIDは、業務用以外では、初めての製品だと思います。
次の点で、本当に満足できる製品だと思います。
- 安定した動作
いろいろと試してみましたが、確実に動作しました。稼動時間はまだ短いですが、不安な点はなく、安心して利用できそうです。
- アクセススピード
eSATAの接続ということで、内蔵のハードディスクと同等のスピードで動作します。
- パソコンを更改してもそのまま利用できる
新しいパソコンに接続しなおすだけで、利用できます。OSを再インストールしてもOKです。
- ミラーリングシステムが簡単に構築できる
DIPスイッチの設定だけであり、本当に簡単です。
- 万一の場合のリビルドが簡単操作
シンプルな操作でリビルトが可能なため、操作ミスによるデータの消失を防ぎます。
希望としては、ディスク4台で、ハードウェアのRAID5が組める製品を出していただきたいと思います。ただし、この手の商品は、価格が高くなりがちです。できるだけ、安価に出していただきたいです。
10.おわりに
知識としてわかっていても、実際に操作してみると、思っていたことと違う点も多くありました。いろいろと試すのも、レポートを書くのも、楽しい時間をすごすことができました。
このような、新製品のモニターに参加させていただき、ありがとうございました。